2016年読んでよかった「暮らしを考えるマンガ」
2016に発刊されたものでないものもありますが、
わたしが今年読んでよかったもの」、よく読んでいたものを紹介しようと思って候補をあげていたら、暮らしについてのマンガばかりでしたので、そんな縛りってことでご紹介します。
ニューヨークで考え中
外国で暮らす、という非日常を日常として描くセンス。
どこにいても「暮らし」があるということに安心する。
「るきさん」が好きな人には、絵の感じも似ているし、おすすめ。
わたしは一度旅行でニューヨークに行って、
都会すぎて、「一人ひとりの事情になんて構ってらんないよ」と街から言われているような厳しさにすっかり参ってしまったことがありました。
お金がないひとにとっては居心地の良くないところだと思ったし。
わたしは東京にずっと住んでいて、「東京は冷たい街だ」という言説を聞くと、
「そんなことないだろ」と思っていたんですが、「都会は冷たい」というのはこういう意味なんだ、と感じた場所でした。
それで、ニューヨークに良いイメージが全然なかったんですが、
これを読んで、ニューヨークにも日常があり、「都会」ではない面もあるのだと知って、だいぶイメージが変わったのでした。
プリンセスメゾン
洋服マンガ『繕い裁つ人』を描いた池辺葵の家マンガ。
地方の安いマンションを借りて暮らしていたときにこれを読んでいて、
狭いユニットバスに浸かりながら、物思いに耽る人物が描かれているのを見て、
「おんなじだ」と思った。
使えるお金は限られているけど、豪華な暮らしがしたいんじゃなくて、
どうにか居心地の良い暮らしがしたいんだ、と。
池辺葵の、町の仕立て屋を描いた『繕い裁つ人』、喫茶店を描いた『サウダーデ』そしてこの『プリンセスメゾン』は「衣食住」3部作ですね。
34歳無職さん
34歳無職さん 1<34歳無職さん> (コミックフラッパー)
- 作者: いけだたかし
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2013/06/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
今年8巻で完結しましたね。
1〜7巻は毎回さらっとしていて「あ、もう終わっちゃった」と思いながら読んでいましたが、8巻は読み応えがありました。
わたし自身無職だった時期にも読んでいましたが、「こんなに規則正しく生活できねえ!」と思っていました。
睡眠はリズムがすべてなので、一度崩すと戻すのが大変なんだ、無職だとね。
その「おこだわり」、俺にもくれよ!!
その「おこだわり」、俺にもくれよ!!(1) (ワイドKC モーニング)
- 作者: 清野とおる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (125件) を見る
『東京都北区赤羽』を読んで、清野氏の対ある種の方々とのコミュ力に驚愕しました。
わたしはずっと東京で生きてきて、知り合いでもない町のひととコミュニケーションをとったことなどほぼ皆無なのに、なんなんだこの人は、と。
しかも、赤羽のことを描いていなくても、このひとのマンガは面白い。
誰にでもある小さな「おこだわり」、暮らしの中の楽しみを、切り取ってこんなに大きく見せるなんて。
その才能に嫉妬します。
みなさんのおこだわりはなんですか?
わたしは「ニベアの女」です。
山と食欲と私
最近読んだなかで、お腹が減ったグルメ漫画です。
登山が趣味の女の子が、山でクッキングする話。
お料理って日常だけど、それをいつもと違う「山の上」という環境でするだけで、
こんなにワクワクするなんて。
山でする料理には、いろいろな制約があるのに、ひたすらその工夫が楽しい。
たそがれたかこ
「日常は冴えないものだ」
ということから人はしばしば目をそらしたくて、マンガを読む。服を買う。カフェでお茶する。
バツイチでキャリアウーマンでもない、下町で暮らす45歳のおばさんの話。
地味すぎる。
年下の男の子やミュージシャンにときめくっていうのも、意地悪な見方をすれば、痛々しい。
読んでいると、「日常は冴えない」を突きつけられる。
「日常」のヘビーさ。
でもうんざりするような退屈に、一度向き合ったあとのほうが、キラキラすることも地に足をつけて楽しめる気がする。
おわりに
やっぱ暮らしを描いた作品が好きなんだな、ということにあらためて気が付きました。今年しばりにしなければ、まだいろいろあるので、機会をみて紹介していきたいです。